ハードディスクを買う前に押さえておきたいポイント
大容量化が順調に進行中
ハードディスクドライブ(HDD)の増設を考えている人は、購入前のチェックポイントを押さえているだろうか。ここでは内蔵型3.5インチHDDを前提に、HDDの現状を踏まえて確認事項を紹介していく。まずはHDDとパソコンをつなげるインターフェースの違いを確認しておきたい。もっとも一般的なものは「IDE」タイプだ。少し前の市販されているパソコンのほとんどにIDEの拡張仕様である「ウルトラATA/100」(100MB/秒)や「ウルトラATA/133」(133MB/秒)のHDDが搭載されていた。今や、IDE規格は転送速度が限界に達している。将来性を考えると、IDEとの主役交代が決定的な「シリアルATA」インターフェースのHDDも選択肢に入れておきたい。シリアルATAの転送速度は150MB/秒と速く、値格は同容量のIDEタイプとの差が1,000円未満でコスト面での不利は見られない。今後は生産量が増えるので、IDEタイプとの値格差はなくなるだろう。
そして最近のHDDのトレンドとしては、SerialATA2.5インターフェースの普及や大容量化などが挙げられる。SerialATA2.5は、すでにほぼIDEを置き換える存在になっていると言ってよいだろう。HDDの容量は垂直磁気記録の実用化もあって最大容量は1TBに達しており、その下の400~500GBクラスの製品の価格も順調に下落が続いている。ビデオカードなどと違って、WindowsVistaの登場以前と登場後でHDDに関して需要が大きく変化しているということはない。それでも、Vistaでは全体的にデータ容量が増加しているほか、上位エデイションにWindowsMediaCenterが標準装備されており、これまで以上マルチメディアコンテンツに触れる棟会が増えている。何より、最近は500GBクラスの製品の価格下落がさらに顕著なこともあり、売れ筋も徐々にこのクラスへシフトしてきている印象だ。Windows Vistaでは、SerialATAのネイティブインターフェースであるAHCI(AdvancedHostControllerInterface)が標準サポートされたことも大きい。AHCIのサポートは、NCQ(NativeCommandQueuing)やホットプラグなどを利用するためには必須。これまでのWindowsXPでSerialATA2.5の機能を利用するには少々手間がかかったが、Vistaでは特別なドライバを組み込むことなく利用できるようになっており、利用される機会も増えるだろう。
HDD購入時に気になる用語をチェック!
キーワード1:Big Drive | 最近の内蔵型HDDは160GB以上の大容量モデルが主流だが、OSのバージョンによって137GBを超える「Big Drive」を認識できないことがある。 |
キーワード2:プラッタ | HDD内部には「プラッタ」呼ばれるディスクが複数枚収められ、プラッタ1枚あたりの容量×枚数でHDDの容量が決まる。7月現在では、シーゲイトの最上位製品のディスク密度が1枚あたり約133GBでトップだ |
キーワード3:回転数(rpm) | HDD内のプラッタが1分間に回転する数のこと。単位は「rpm」。上位モデルは7,200rpmが主流。ほか5,400rpm,4,200rpmなどもあり、回転数が高いほどアクセスは高速になる。 |
キーワード4:平均シークタイム | データの読み書き用ヘッドが目的のエリアに到達(シーク)するまでに要する時間。これが短いほどアクセスは高速になるが、HDD購入時にはあまり気にしなくてもよいだろう |
キーワード5:キャッシュ | HDDからのデータ読み出しをメモリを媒介に高速化する仕組み。「バッファ」とも呼ばれ、基本的にキャッシュ容量の大きいHDDのほうがパフォーマンスは高い。容量は2~16MB |
キーワード6:流体受け | ディスクを回転させるモーターの軸受けの種類。以前はボールベアリングが一般的だったが、現在は振動が少なく、静音性と長寿命を兼ね備えた流体軸受けタイプが増えている |
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○インターフェースの違い
HDDのインターフェースは、数年前よりIDEからSerialATAへと移行が進んできた。SerialATAは転送速度が最大3GBpsと高速な上、NCQを使えばランダムアクセスの効率化も期待できる。また、IDEよりもずっと細いSerialATAケーブルは、取り回しが容易でエアフローを妨げないなど、メリットが多い。
★増設の手軽さなら外付けHDDがオススメ!
内蔵型HDDは増設作業がわずらわしい、複数のパソコンで使えるHDDが欲しいという人には、外付けモデルがオススメ。インターフェイス別に見ると主流はUSB2.0モデルだが、データ転送速度が安定してるIEEE1394/1394bも捨てがたい。また、複数のパソコンで共有できるHDDを探してるHDDを探してる場合は、LAN経由で接続するNAS(Network Attached Storage)を選択するのが現実的だ。