Windowsカスタマイズ

知っておけば怖くないメモリの買い方講座

メモリで失敗しないため下調べは十分に

パソコンを購入した当時は十分と思っていたメモリ容量も、時を経るにつれて不足しがちなことに気付く。Windows7,8の快適動作には最低でも4Gは確保したいところ。ここですかさず増設をオススメするわけだが、これまで一度もメモリ増設の経験がないユーザーはどうしていいかわからないだろう。ここではメモリの購入前に押さえておくべきポイントを紹介していく。まずは物理メモリの搭載量を把握するところからはじめよう。基本的に「システムのプロパティ」の<全般>タブを開いてチェックすればよい。メモリの不足分を認識したら、さらにいくつかの確認事項をチェックしていく。パソコンごとに搭載可能なメモリの種類や数、最大容量は決められている。家具を買えども自宅に入らずなんて失敗を避けるためにも、下調べがとても重要になるのだ。

●搭載メモリ容量は、「システムのプロパティ」(「マイコンピュータ」アイコンを右クリック→<プロパティ>)の
<全般>タブの「コンピュータ」欄で確認できる

使用可能なメモリ種類の調査方法はイロイロ

メモリにはいくつかの種類があり、いまお使いのパソコンであればDDR SDRAMかSDR SDRAMが中心になるだろう(下図)。ただし、SDR SDRAMはおもにウィンドウズ98/Me搭載機で使用されているため、ユーザー数の減少に比例して流通量も減っている。逆に、データをSDRの2倍の速度で転送するダブルデータレート(DDR)という機能を持ったDDR SDRAMは、3~4年ほど前からはほとんどのパソコンで採用されている。

DDRSDRAM
(DIMM)
現在主流メモリ。2枚挿しでデータ転送速度が2倍になるデュアルチャンネルが可能。
今後はDDR4SDRAMへの移行が進む
SDR SDRAM(DIMM) ウインドウズ98/Me時代の主流メモリ。当時よりも割高だが、いまだに販売されているので、98/Me/XPパソコンを使っているユーザーでも安心

ノートパソコンならメモリ形状はSO DIMM
DIMMではなく、小型のSO DIMMになる。ピン数はDDR SDRAMが200ピン、SDR SDRAMが144ピン。さらに
小さなMicroDIMMを搭載するモデルもある。また、デスクトップ用でRIMM形状のRDRAMもあるが採用機種は少ない。

増設用として買い求めるメモリの種類もほぼこちらになると思われる。DDR SDRAMだが、性能によって表記が異なる点がわかりづらい。たとえば、動作周波数が400MHzのモデルは「DDR400」や「PC3200」と表記される。前者はメモリチップの規格名で、メモリの種類としては後者であらわすのが一般的。DDR400は最大データ転送速度が3,200MB/秒なのでPC3200と表記するわけだ。同様にDDR266=PC2100、DDR333=PC2700となる。ここを理解しておけば、ショップの店頭で表記が混在しても迷うことはないだろう。

それではパソコンの対応メモリを調べる方法を解説する。といってもさほど難しいことはなく、メーカー製パソコンであれば、各社のウェブサイトで仕様表を検索するのが基本。自作パソコンならマザーボード付属のマニュアルに載っているはずだ。また、チップセットからも判断できる。データの受け渡しを管理するマザーボード上のチップ群をチップセットと呼び、種類によって対応メモリが決められている。たとえばインテル845EはPC1600/2100に対応し、他のメモリは使えない。下図にインテル製主要チップセットの対応メモリをまとめたので参照してほしい。ちなみにアイ・オー・データ機器やバッファローなどのメモリ製造メーカーのウェブサイトでは、パソコンやマザーボードの型番から対応メモリ製品をチェックできるので、こちらを利用するほうが手っ取り早いかもしれない。

主なプラットフォームと対応メモリー
Intel

ソケット CPU 対応メモリー
LGA1156 Corei7/i5/i3シリーズ DDR3-1333×2
Pentium G800シリーズ DDR3-1066×2
Pentium G600シリーズ
LGA1366 Core i7シリーズ DDR3-1066×3
LGA1156 Corei7/i5/i3シリーズ DDR3-1333×2
Pentium G6000シリーズ DDR3-1066×2
LGA775 Core2Quad/Duoシリーズ DDR2-800×2
Pentium、Celeronシリーズ
オンボード AtomD525/D425 DDR3-800、DDR2-800
AtomD510/D410 DDR2-800
Atorn330/230 DDR2-667

現行の主なCPUの対応メモリーをまとめた。
LGA1366のCorei7シリーズは、DDR3-1066までの対応となっているが、多くのマザーボードが初期設定のまま、DDR3-1333で動作する。LGA775やAtom330/230のCPUは、メモリーコントローラーを内蔵していないため、チップセットによって使えるメモリーが異なる。

空きスロットと最大パンク数の関係

空きスロット(メモリの挿し込み口)の有無も確認する。メモリスロットに空きがない場合は増設できない(既存のメモリと交換することは可能)。確認手段としては、メーカーのウェブサイトやカタログを参照するか、パソコンのケースをはずして内部を直接視認すれば済む。では、空きスロット確認=メモリ即購入になるかというと、まだ早い。バンク数という落とし穴があるのだ。表2の「最大バンク数」という項目に注目してほしい。チップセットによっては対応バンク数に制限があり、これを超えた増設は行なえない。バンク数は一般に、メモリチップが片面のみに実装されていれば1バンク、両面実装なら2バンクと数える。たとえばチップセットがインテル845Bステップ、メモリスロットを3つ備えたマザーボードを使用しているとする。片面実装と両面実装のメモリが1枚ずつ挿さっているとこれで3バンク、最大バンク数は4なので、残り1スロットには片面実装のメモリしか使えない。初期不良と思っていたら、バンク制限が問題でした…とはならないように注意が必要だ。

メモリバンク

①メモリモジュールの片面にのみメモリチップを搭載していれば1バンク、②両面実装タイプを2バンクと数えればよい。ただし、片面実装で2バンクという例外もあるので注意すること


デュアルチャンネルなら2枚ペアで増設が基本

仕様表に「512MB(256MB×2:デュアルチャンネル対応)」などとある場合も注意。デュアルチャンネルとは、同じ仕様のメモリを2枚ペアで装着して、最大データ転送速度を2倍に引き上げる技術で、インテル865/875/915シリーズなどの搭載機種で利用できる。インテル865/875では片方のメモリのみ容量を変更すると、シングルチャンネルでの動作となってしまうので、パフォーマンスを保つためにも2枚同時の増設が基本となる。

バルクかパッケージか悩みどころ

さて、増設可能なメモリの種類と使用条件を確認したら、やっとこさ楽しいメモリショッピングとなるわけだが、ここでもパッケージ品とバルク品を前に悩むことになる。高価だが手厚い保証サービス付きのパッケージ品は、パソコンの機種ごとの動作検証が万全。だれもが安心して購入できる。一方、バルク品の動作検証はユーザーにゆだねられるものの、その安さは資金力不足の身には非常に魅力的。しかし現在、メモリ価格は円安で上がっており、PC3-12800のものが4GB×2で8~9千円前後のケースも珍しくない。どちらか迷うところだが、自己責任の部分に不安があり、メーカー製パソコンを使っているならパッケージ品を選ぶのが無難だ。バルク品の場合は、相性保証のあるショップで購入することをオススメする。ショップによっては数百円の追加でバルク品に独自の保証をしてくれるところもあるので上手に活用したい。メモリを購入したら増設作業に取りかかろう。メモリの増設方法はデスクトップ型やノート型など機種によって異なるので、付属のマニュアルに従って作業を進めること。増設後は「システムのプロパティ」をチェックし、メモリ容量が正しく認織されていればすべての作業は完了だ。

「PC3・××××」と「DDR3・×××」の違い

PCショップやカタログなどでメモリの仕様を見ると、「PC3-××××」、「DDR3-×××」の2種類の表記が存在する。「PC2-××××」はJEDECの標準表記でメモリモジュールの転送速度を基準とするもの。たとえばPC3-12800であれ12.800MB/sの転送速度を持っている。一方、「DDR3-×××」はメモリチップの動作クロックを基準とする表記。DDR3-1600であれば1600MHzで動作するチップを採用している。この場合、モジュールの転送速度は12.800MB/sとなる。それぞれの対応については、下表を参考にしてほしい

CL=×とは?

CLとはCASLatencyの略。メモリはデータの読み書きを行なう際、対応するアドレス(データの位置)を行(Row)と列(Column)で指定する。列を指定する信号をCAS(Column Address Strobe)と呼び、CASLatencyとはCASが送られてからデータ転送が行なわれるまでの遅延時間を示す。単位はクロックで、数値が小さいほど処理速度は高速。

JEDECとは?

JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)とは、EIA(米国電子工業会)の一部門で、電子部品の標準化を推進するアメリカの業界団体。メモリの標準仕様も策定している。JEDEC標準仕様に準拠した製品はベンダーが違ってもー定の基準を満たしており、品質などに安心感がある

メモリモジュールによる転送速度の違い
メモリモジュール メモリチップ 動作クロック 転送量 最大データ転送速度
PC2100 DDRSDRAM(DDR266) 266MHz 64Bit 2.133MB/s
PC2700 DDRSDRAM(DDR333) 333MHz 64Bit 2.667MB/s
PC3200 DDRSDRAM(DDR400) 400MHz 64Bit 3.200MB/s
PC2-3200 DDR2SDRAM(DDR2-400) 400MHz 64Bit 3.200MB/s
PC2-4200 DDR2SDRAM(DDR2-533) 533MHz 64Bit 4.267MB/s
PC2-5300 DDR2SDRAM(DDR2-667) 666MHz 64Bit 5.333MB/s
PC2-6400 DDR2SDRAM(DDR2-800) 800MHz 64Bit 6.400MB/s
PC2-8500 DDR2SDRAM(DDR2-1066) 1.066MHz 64Bit 8.500MB/s
PC3-8500 DDR3SDRAM(DDR3-1066) 1.066MHz 64Bit 8.500MB/s
PC3-10600 DDR3SDRAM(DDR3-1333) 1.333MHz 64Bit 10.600MB/s
PC3-12800 DDR3SDRAM(DDR3-1600) 1.600MHz 64Bit 12.800MB/s
PC3-14900 DDR3SDRAM(DDR3-1866) 1.866Mhz 64Bit 14.930MB/s
PC3-17000 DDR3SDRAM(DDR3-2133) 2.133Mhz 64Bit 17.060MB/s
PC3-19200 DDR3SDRAM(DDR3-2400) 2.400Mhz 64Bit 19.200MB/s
PC3-22400 DDR3SDRAM(DDR3-2800) 2.800Mhz 64Bit 22.400MB/s
PC3-24000 DDR3SDRAM(DDR3-3000) 3.000Mhz 64Bit 24.000MB/s

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メーカー製パソコンで増設したら保証は?

最後にメーカー製パソコンでメモリを増設するときのサポートや保証制限について確認しておく。主要メーカーの多くはユーザーによる増設を認めているが、各社純正メモリ以外の動作は保証していないケースがほとんどだ。実際の増設作業は基本的にマニュアルに従ってユーザー自身が行なうほか、出張や持ち込みサービスを提供しているところもある。

64ピットWindows7(x64)の「アドバンテージ」

32ビットWindows7(x86)が利用できるメモリアドレスは「4GB」までである。注意しなければならないのは、ハードウェアが利用するメモリアドレスもこの「4GB」内で扱われるため、システム(32ビットWindows7(x86))が利用できるメモリが4GBまでということにはならず、実際にシステムメモリとして利用できる上限は2.0GB~3.5GB程度という事実。対して64ビットWindows7(x64)のメモリアドレスは192GBまでであるため(エディションによって異なる)、搭載した物理メモリ容量のすべてをWindows7で利用することができる。つまり、メモリを積極的に利用したい環境であれば、「64ビットWindows7 or 8.1(x64)」を選択すべき。

  Windows7で利用できる最大メモリ
64ビットWindows7(x64)Ultimate 192GB
64ビットWindows7(x64)Professional 192GB
64ピットWindows7(x64)HomePremium 16GB
32ビットWindows7(x86)Ultimate 4GB(実際には2.0GB~3.5GB程度)
32ピットWindows7(x86)Professional 4GB(実際には2.0GB~3.5GB程度)
32ピットWindows7(x86)HomePremium 4GB(実際には2.0GB~3.5GB程度)

XMPとは

XMP(Extreme Memory ProfiIe)は、Intelが推進しているOCメモリ向けの拡張規格。メモリの標準規格はJEDECという組織で決められており、定格メモリのクロックやタイミングは「SPD=Serial Presence Detect」によってマザーボードに伝えられる。この仕組によ り、デフォルト設定(Auto設定)をロードするだけで自動設定される。XMPは、このSPDを拡張して、OCメモリとしてのタイミングや電圧情報などを格納。その情報(XMPプロファイル)をロードすることでOCメモリでも半自動設定ができるようにしたもの。XMP対応のOCメモリなら、XMP対応のマザーボード(Intelの最廉価クラスチップセット搭載製品以外ならほぼ対応)のUEFIセットアップで×MPのプロファイルをロードするだけで、誰でもモジュールの仕様どおりの速度に設定することができる。もっとも、CPUの対応速度を超える高遠メモリの利用は、CPU内部のメモリコントローラやマザーボードに負担をかける。設定は簡単でも、OC動作であることには変わりなく、自己責任になることは留意してほしい。


用語辞典

CL 「CASLatency

列を指定するReadコマンドが発行されてから、実際に読み書きするまでにかかる遅延時間。

tRAS 「Row Address Strobe time」

行を指定するActiveコマンドが発行されてから、プリチャージを実行するまでにかかる時間。

tRCD 「RAS to CAS Deray time」

Activeコマンド発行とReadコマンド発行の遅延時間。

tRP 「Row Precharge time」

Prechargeコマンドか発行されてから、次のActiveコマンドが発行されるまでの時間。

チップ・セット
パソコンのマザー・ボード上にあり、CPUやRAM、拡張カードなどの間のデータの受け渡しを管理する一連の回路群のこと。パソコンのチップ・セットは、いくつかのメーカーが様々な種類を開発・製造しており、マザー・ボード・メーカーはチップ・セッ卜・メーカーからチップ・セットの供給を受けてマザー・ボードを製造している。チップ・セットによってサポートするCPUや装着できるメモリ・モジュールの本数、動作周波数が異なる。通常、チップ・セットはCPUやメイン・メモリのスピードに柔軟に対応できるよう、ハードウェア的またはソフトウェア的に信号のタイミングなどを細かく調整できるようになっている。ノース・ブリッジは、MCH(Memory Controller Hub)と呼ばれ、CPUとメモリとの間のデータの流れを制御する。また、CPUとAGPバスやメモリとの問のデータの流れを制御する。つまり、データを高速にやり取りする装置として使われる。つぎに、サウス・ブリッジは、ICH(I/O Controller Hub)とも呼ばれ、CPUと周辺機器との問のデータの流れを制御する。具体的には、CPUとPCIバス、CPUとUSB・シリアル・パラレル・PS/2ポート、CPUとIDEとの間のデータの流れを制御する。チップ・セットには、インテル社のCPU、インテル互換CPUを使っている場合は、VIAテクノロジー社のAppolloシリーズのKT226やKT333が使われている。
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